投資家と市場

資金調達の為に発行された証券は投資家が保有する。ここでは最近の投資家の動向を債券市場と比較しながら株式市場の解説をしたいと思う。

1、債券市場
債券市場はディーラー中心で売買益を狙った投資が盛んな市場である。銀行や保険会社は調達資金の元利払いに見合う金額を資金調達から得られるキャッシュフローで賄えるようにする投資手法であるALMを行う為に債券投資を増加させている。負債が長期的資金である保険や年金は、国債や地方債、政府関係機関債、社債(事業債)の保有が多く、負債が短期的資金である銀行は短期債券の保有割合が多い。国内で最も発行残高が多いのは国債だ。国債は国内金融機関の保有が中心となっていて、海外投資家の保有は非常に少ないのが現状だ。

2、株式市場
1990年頃まで、安定株主の形成等を目的として株式の持ち合いが進み、保有割合の7割を占めていた個人投資家は2割程度まで低下した。90年代に入ると、株式の投資収益率の悪化や、2001年の金融商品に対する時価会計の導入などにより株式の持ち合い解消が進んでいる。投資信託や年金といった機関投資家は、株式市場ではメインプレーヤーとなっていないところが債券市場と大きく異なる点だ。ただ、最近では年金資金の運用に関する規制緩和や自由化によって年金の株式保有比率は上昇傾向にある。また、保有割合については海外投資家の保有比率が30%を超えてきており、売買高(出来高)でも日本市場に大きな影響を及ぼしている点も債券市場とは異なっている点であると言えよう。