2016年07月09日

【すないぱぁ一刀両断!正に経済の紐を解く】


諸君、私がすないぱぁだ。
今年も後半に入ったので、昨日までの相場の振り返りだけでなく、年前半のビックイベントと今後の影響について見ていこう。

まずは、7月8日(金)の雇用統計の振り返りだ。 7日(木)のコラムで書いた予想サポートラインは、1.1000だ。ここを抜けきらなければ、すかさず大きく反発すると予想。 結果はどうだ?

では、雇用統計発表の21時半~22時までの動きを見よ。 一旦、猛烈な下落と見せかけて、その後ある地点で一気に暴騰が始まった。 その反転のポイントが、正に1.1001だ!これは、予想がホールインワンの状態と言っていいだろう。

もし、1.1000のラインを読めていなければ、この騙しにやられて多額の損失を出していただろう。 逆に、ここのポイントを知っていれば、冷静に対処して買いを入れることで大きな利益に結び付けることができたはずだ。

何故なら1.1001から即座に反発して、その後30分以内の内に1.1170付近までの上昇を達成した。つまり、この30分という短時間の中で170ピプスも動いたということになるのだ。 ここまではテクニカル的な分析となるが、ここからはファンダメンタルズの面からも確認をしてみよう。

8日(金)に発表された6月の雇用統計は、予想の18万人増に対して28.7万人増の結果であった。報道を見ていると恰も、予想より良かったから景気が上向いてきたかのように思える表現が目立つ。

しかし、俺の見方は違う。

まず、前回5月が3.8万人増と非常に落ち込んでいる。この前回のことをすっかり忘れてしまい、市場は単に一喜一憂しているに過ぎない。元々、雇用統計とは振れ幅の大きい指標なので、あまりにも予想との乖離が激しい場合は、平均値をとって比較すべきだと私は考えている。つまり、(3.8万+28.7万)÷2か月=16.25万ということになる。

次に、今年2月以降の推移を見る。 すると、2月が24.2万人増/3月が21.5万人増/4月が16.0万人増・・・。これによりわかることは、アメリカ経済は徐々に減速し、そして停滞してきている状態にあると言えるだろう。

それだけではない

今回の結果にはイギリスのEU離脱ショックが加味されていない為、次回8月5日(金)の雇用統計の結果を特に注目すべきだと私は思っている。 また、同時に発表された米失業率についてはどうか。

これも同様に、あまりコンマ以下の数字を気にする必要はない。確かに数字上では、前回の4.7%に対して今回は4.9%と0.2%の悪化となった。しかしこれは誤差に過ぎず、2008年9月のリーマンショック以降は9%台の水準であったことと比べると、ショック前の水準に回復していると言えるだろう。

4%台ということは、もはや完全雇用に近い状態だ。雇用者増加には限界があるので、失業率の数字よりも寧ろ賃金の上昇率関連が分かる指標に注目すべきだと思う。以上の雇用統計と米失業率から何が分析できるかというと、アメリカ経済は現状では停滞気味。そこに来て、今回イギリスの問題が勃発。結果として、仮に年内利上げを行ったとしても1回が限界であるということ。つまりは、ポンドやユーロに対しては強いものの、他通貨ではそれほどドル高になる要因はないと考えている。

では次に、今後も引き続き通貨の動きに影響が出ると考えているイギリスEU離脱問題にいて解説しよう。 ポンドドルは、1.2790近辺で31年ぶりの安値を付けているし、来週は下落が更新されるだろう。 ポンドが安くなるということは、みんなもイメージでわかると思うが、これがどのように他通貨や株式に影響するか考える方がよっぽど重要だ。 簡単に言うと、以下のような流れになるはずだ。

元々、イギリスは対外収支が悪く、経常赤字はGDPに対して7%程度のマイナスで推移している。ところが、ポンド安になり始めて今後輸出競争力が強くなるだろうことを見込んで、更にポンド売りが加速しているという状況だ。

この影響で、隣国通貨のユーロも売られている。次に考えることとしては、イギリスやユーロ圏へ多く輸出を行っている国への影響だ。それは、一番多いのが中国、その次は日本ということになる。 ヨーロッパ圏の輸出競争力が強くなるということ、逆を返せば輸入は少なくなるということであり、中国や日本には痛手となる。ところが、中国の主要な株価指数である上海総合指数は、このところ高いポイントで推移している。これは、中国政府が人民元安を推し進めて輸出企業の後押しをしている為だと思われる。

そうなると、痛手をもろに食ってしまうのは日本だ。8日(金)も、ドル円は99円台までの暴騰を見せる有り様だ。輸出企業の多い日本としては、何とかもっと円安へ誘導していきたい、政府は円売り介入をしたいと強く思っているはずだ。 しかし、今は円売り介入が非常にやり難い状況になっているのが実情である。

理由をズバリ言おう。

今、解説した流れに既にヒントが書いてあるのだが、ポンド安でユーロ安そして中国元まで安くなってきている。ここに、更に円安誘導をしたらどうなるか?世界経済は、正に通貨安競争になってしまうはずだ。 結果として基軸通貨であるドルの実効レートが高くなってしまい、現状のアメリカ経済停滞からの更なる打撃をルー財務長官が懸念しているのだ。

つまり、今後日本の財務省が円売り介入を指示して日銀が実行したとしても、背景にはアメリカの圧力があるので、効力はそう長続きしないであろう。今月の日銀の政策決定会合や、選挙後の補正予算も市場を動かすような驚くほどのイベントには到底ならないはずだ。 その為、暫く円高水準は継続すると私は見ている。

そして最後に、株について触れてみよう。

株式市場は為替の動向と密接に関わっているので、以上の説明が掴めていないと大きな流れを見落とすことになるので注意が必要だ。 今まで見てきた世界経済の結果として、円高水準がある一定期間続くということは、株式市場全体としては弱気相場が続く公算が高いということだ。 8日(金)の日経平均は、169円安の15106円で大引けを迎えた。 今年になって下落基調が続いていることは、チャートを見るまでもなく明らかであるが、私が注目すべき点は全く違う。

注目すべきことは、ボラティリティの高さだ。

このように1日に1%以上の変動をしている営業日は、今年になってから何と半分以上。更に2%以上の変動が4営業日に1回の割合で発生している。去年までと比べると、騰落率はかなり高い数値であると言える。 騰落率が高いということは個別銘柄を取引するときも、しっかりとテクニカル分析をした上でトレードをすることが
より重要になってきていると考えてよいだろう。 来週は、株式市場全体は弱い相場が続く可能性は高い。ただ、個別銘柄では勝手が違う。 確かに輸出関連株は様子見としたいところだが、内需関連株の中から選定して上昇トレンドの銘柄を押し目買いしていく戦略をとっていくとよいだろう。


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